生中継-Live 【1】
ローカルTVのニュース・カメラマンの仕事の一つに、生中継がある。
大きなイベントはもちろんのこと、ほんわか系の些細なニュースでさえも、「臨場感」をかもし出すために、Live(生中継)をする。
「では、現場の●●さん、どうぞ」
「スタジオの○○さん、お返しします」
というヤツを、番組中に最低2つ、多い時で3つ行う。
生中継を行うには、中継車(Live Truck)を現場に配置し、その屋根についているお皿から、TV局のタワー、もしくは空に浮かぶ衛星に向けて電波を飛ばさなければならない。
「そっちに届いてる?」
「届いてないよ。お皿、もうちょっと右にずらして」
「おっかしいなー、方角合ってるはずなんだけどなー」
携帯電話を通じての、こんな押し問答の末、電波が届いたことを確認すると、中継車のコードを記者が立つところまで引っ張り出す。カメラとマイク、それにIFB(記者とカメラマンがスタジオからの声を聞くためのイヤホン)を接続し、準備完了。
中継車には2つの種類がある。
一般中継 (TV局のタワーに向けて電波を送信する)
→ENG (Electric News Gathering)
衛星中継 (衛星に向けて電波を送信する)
→SNG (Satellite News Gathering)
と、それぞれ呼ばれている。
ENG(フツーの中継車)の場合、TV局のタワーからの距離が30マイル(約48km)以上離れてしまうと、電波が届かなくなるので、遠隔地からは、SNG(衛星中継車)を使う。
このENGこそが、カメラマンの頭痛の種。
日本では、中継車を扱う専門の技術屋さんがいて、カメラマンは、カメラを繋げて、記者さんの中継だけを撮ってればいい。
一方、コストパフォーマンスにうるさいアメリカでは、ENG操作がSNGのそれに比べて「高度な技術」を要求しないため、カメラマンが中継トラック運転手をも兼任せねばならない。
本来ならば2人でやる作業を、1人でやらせるってことか。ケチだぜ、まったく。
せっせとトラックを現場まで運び、アンテナを上げ、電波を飛ばし、配線コードを伸ばす・・・カメラをつなげ、ブー垂れている記者さんを美しく魅せるために、あちこちからライトを照らし・・・所要時間約30分、この一連の技術的作業をカメラマンが全部一人でやる羽目になる。
「高度な技術を必要としない」、といえども、作業には様々な留意事項がある。例えば、感電の恐れがあるので、(1)中継車は、電線から30フィート(9メートル)以上離れたところに設定しなくてはならない、(2)空に雷が走っているのを見たら電波を飛ばしてはならない、とか。数えだしたらキリがない。
一歩間違い感電すると、マイクを握っている記者も、カメラを背負っているカメラも、大やけどをくらい、即死に至る。数年に一度、アメリカのどこかでこの手の事故が実際に発生していると聞くと、体中に悪寒が走る。
電柱柱が乱立し、おまけにこの季節になると、雷を伴う通り雨が日常茶飯事になるオラが街では、中継一つも命がけ・・・。
だから、放送時間30分前にいきなり速報が入り込んできて、急遽出動、ようやく現場に着いたものの、オン・エアまで10分切ってる!!なんて場面なんぞ、寿命が縮まる想いがするだよ。







あああ、「東海岸NY,PA付近で大雨洪水なんだな~」と改めて現地WTEN(ABC地方局)チェックしたら、がぼ~~ん、私住んでた周辺のMohawk Riverが氾濫、Canalも通行禁止にして、道路も封鎖、大変らしい・・・↑の「現場の○○がお送りしました」の背後には見覚えのある光景が・・・自然の猛威には誰もかてないのですた~~ 中部は影響ないみたいね?トルネードの季節ね、今年も・・・
by せっちん (2006-07-03 09:23)